Arafudo Art Annual 2014!

Festival of Art, Tsuchiyu Onsen, FUKUSHIMA

北アイルランドのポータダウンと国際交流展を開催します

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土湯アラフドアートアニュアル2013、アラフドアートアニュアル2014の参加作品、参加作家が北アイルランドのポートダウンにあるミレニアムコートアートセンターにて北アイルランドの作家と交流展覧会を行います。

タイトルは『When the Wind Blows / 風が吹くとき』
参加作家は、青山悟、アスラ・バーク、有賀真吾、阿部乳坊、L+、川田淳、葛谷允宏、清水玲、下野友嗣、ゾーイ・マルドック、田幡浩一、泰平、増山士郎、松下徹、水川千春、鉾井喬、ほかアラフドアートアニュアル参加作家。

OPENING NIGHT RECEPTION & EXHIBITION DATES
Friday 13 March, from 7pm. Saturday 14 March – Saturday 2 May 2015


ユミソン(本展キュレーター)
 福島で始まった芸術祭「アラフドアートアニュアル」は、3分の1が廃業に追い込まれた土湯温泉町が舞台でした。そこで行われた展覧会は、経済の面からでは見えない、風評という想像力が猛威を振るう現在という時代を、様々な視点で読み解くことが狙いでした。アラフド(新踏土)とは、新雪を踏み固め道筋をつくるという福島の方言。アラフドアートアニュアルに参加した芸術家たちの展覧会を、福島から離れた北アイルランドはポータダウンにあるミレニアムコートアートセンターで企画しました。
 本展のタイトル「風が吹くとき」には複数の意味があります。山と川が運ぶ風に守られ、放射能の影響が福島市で最も少ない土湯温泉町。しかし、風から聞いたという噂(風評)で、町の経済に打撃を与えられた町。その作品たちを展示する今回の舞台のポータダウンでは、冷戦時代に作られた核シェルターをモチーフに作品を制作した地元の芸術家たちも参加します。
 本展覧会のタイトルは、風が放射能を運び、だんだんと死に向かう老夫婦を描いたイギリスの有名な漫画のタイトルと同じ。風に守られる/風にそそのかされる/風に蝕まれる。様々な意味が、この展覧会のタイトルには含まれています。私たちの想像力がつくる現実は、どのような形なのか。今ある政治にとらわれず、文化や芸術の力を養うことで、その試みはなされます。

増山士郎(本展キュレーター、及び、アーティスト)
 昨年から福島の「アラフドアートアニュアル」をゲストキュレーターとして、ユミソンさんと一緒にキュレーションし始めました。北アイルランドのポータダウンにある、ミレニアム・コート・アートセンターでの一年間のレジデンス滞在中に、その展覧会の一部を福島から持って来て紹介する機会を得ました。福島という地は原発事故による強い特徴があるので、わざわざ遠く離れた北アイルランドまでもってくる意味を考えていた矢先に、アートセンター近くに、冷戦時代につくられた秘密の核シェルターが存在することを知りました。それで、アラフドアートアニュアルにも参加した地元のアーティストたちに、展覧会のためにその核シェルターにちなんだ新作を作ることを依頼したのです。その事が、福島のためにアーティストたちがつくった作品との対話をもたらすに違いないと思ったからです。
 ポータダウンに核シェルターはあるものの、北アイルランドで核戦争が起こったことがないとおり、それは一度も使われたことはありません。英国軍が核戦争を「想像」しながら建造したものです。展覧会のため、地元のアーティストたちもまた、「想像力」を駆使して作品をつくります。一方日本人アーティストたちは、皮肉で不幸なことに、福島や広島や長崎を通して、放射能や核戦争の「現実」に関して知識や経験がもっとあるのです。ユミさんが「アラフドアートアニュアル」を通じて、よく「現実」と「噂(想像)」の「ズレ」の話をよくしていますが、お客さんのあなたが実際の作品、地元アーテイストと海外アーティストとの対話、ユミさんと自分の展覧会のキュレーションを通じて、その「ズレ」に気づいてくれると信じています。