Arafudo Art Annual 2014!

Festival of Art, Tsuchiyu Onsen, FUKUSHIMA

Interview with 田幡浩一

このエントリーをはてなブックマークに追加

限られた短い時間、そして些細なモノの些細な動きを、ループ再生(永遠に終わらない繰り返し)させる。パラパラアニメの手法で、些細な動きを表現するために、田幡浩一は何百枚あるいは千枚以上に及ぶドローイングをする。それは日々の大切さを強調しているようで、その一方、一人の人間の持つ時間以上のものが現れてきます。同じ行為を続けることで意味が飽和してしまうような不思議な映像についてお話を伺いました。

田幡浩一|Kouichi Tabata

作者近影

田幡浩一 作者近影

1979年栃木生まれ。2006年 東京藝術大学大学院美術研究科油画科修了 絵画と映像(動画)の間を行き来することで、メディア間を跨ぐ際に存在する「ズレ」を主題にした作品を制作。
主な展覧会として、「interior /pare/ exterior」(Joyce Gallery 北京 2013年)「THE ECHO」(日独文化会館ケルン2013年) 「trace of images」(ギャラリー小柳 東京 2011年)など
http://kouichitabata.tumblr.com

静止画と動画の間にはもっと多様な表現が隠されている

大学は油画科の出身とのことですが、絵画における技術的手法または思考法は、作品にどのような影響を与えていますか?

学部は先端芸術表現科というところで、大学院でもう一度油絵科に移り本格的に制作活動を始めました。 一度絵画からは距離を取れたことが今のスタイルに繋がっている様に思います。

一枚一枚の絵を連続で見せる動画の手法で映像を制作していますが、その制作方法に至った経緯を教えてください。

絵画には制作する上で作者が費やした時間が存在しますが、動画はある程度鑑賞者の時間を共にします。 静止画と動画の間にはもっと多様な表現が隠されているように思っています。

現在、ベルリンに拠点を持っていますが、ベルリンはアーティスト田幡浩一にどのような影響を与えていますか?

善し悪しはともかく、本当に色々な人がいるので、多様な価値観とそれを個人として尊重する空気があることは、アートをやる上で厳しくも住みやすい街だとは思っています。

展示風景 Courtesy Gallery Koyanagi

『72 color(Rose)』 展示風景 Courtesy Gallery Koyanagi

自然光が綺麗だった

「72 color(Rose)」の制作中に印象に残ったエピソードがあれば教えてください。

72色セットの色鉛筆を先に買っていたので、何を描こうかというのは後からだったのですが、窓辺に飾ってあった白いバラが枯れていて、方付けようかと思いましたが、自然光が綺麗だったので何枚か素描し、その中から選んだものの一つです。光は常に変化していきますが、花はもう変化しないように思えたからでしょうか。

個人の痕跡や思いや発見

現在、興味のあるモノや人、事象があればその理由も含め教えて下さい。

歴史的だと言われるものにも背後には必ず個々人の思いや活動があるので、規模や完成度を求めることへの憧れよりも、もっと人との距離の近いもの、個人の痕跡や思いや発見といったものに最近は興味関心が移りつつあるように思います。


ありがとうございました。interviewer:yumisong