Arafudo Art Annual 2014!

Festival of Art, Tsuchiyu Onsen, FUKUSHIMA

Interview with 佐藤一弘

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こけしは江戸時代末期から東北で作られ始めた、木の人形。子どもが手で握れるように人形に手足が無いシンプルな形態が特徴。土湯温泉町は東北三大こけしの一つに数えられる伝統こけしの里でもあります。カメラマンでもありこけし収集家の佐藤一弘は、戦後の伝統こけしを中心にポートレイト撮影をライフワークとしています。本展覧会出品のために名だたるこけしコレクターから戦後こけしを借り受け、こけし撮影を行ったと言います。佐藤は、こけしの表情を引き出すために色々な工夫をしているそうです。戦後の工人が描いた表情とはどのようなものなのでしょう。

展示された写真は、こけしの中でも大変貴重なビンテージこけしを撮ったもの。戦後に作られたこれらのこけしはまた違った味わいがあります。部屋の中央には、かつて彼らが作られた時代の木製の、足踏みろくろが置かれています。
どの作品も、全身ではなく人物のポートレイトのように顔のアップで撮られています。当然、こけしたちが表情を変えることは決してありません。しかしこれらの写真は、様々に変わる表情の一瞬を捉えたかのようです。

佐藤一弘|Kazuhiro Satoh

1963年福島市生まれ/土湯温泉町在住
土湯温泉で80余年続く写真館の三代目。
「お客様の最も大切なひと時を正確に、確実に撮影し記録する」という仕事を祖父の代から三代にわたり続けている。ライフワークとしてビンテージこけしのポートレイト写真撮影や郷土史を調べたりする事を好み、プロカメラマンとして消防活動を撮影する傍ら地元消防団活動などでも活躍し地域に必要な人間になろうとしている。
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今回の作品についてお伺いしたいと思います。

今回展示したのは、80年以上昔のビンテージこけしのポートレイト写真です。土湯温泉で開催される芸術祭という事で江戸時代末期から受け継れてきた土湯伝統こけしの奥深さを紹介したく制作に至りました。戦前作こけしの表情に宿した素朴な美をズーミングし表現しました。

制作中に印象に残ったエピソードがあれば教えてください。

エピソードという程ではありませんが繊細なマクロ撮影で消耗しましたが、こけしの表情に癒され時間をも忘れて創作に集中出来ました。大学で学んではおりませんが、カメラマン修業時代に見た多くの写真作品の中で印象深かった物が今の作風に影響をあたえております。

現在、興味のあるモノや人、事象があればその理由も含め教えて下さい。

郷土史、並びに名を残した写真家の功績やその想いなどです。

制作する上で常に気をつけていることがあれば、教えてください。

その地域に育まれたその地域のカメラマンにしか表現出来ないモノを作品にしていこうと考えております。また、写真撮影する上で被写体の本質と表現方法の融合に気をつけています。

ご自身のアートの楽しみ方があれば、教えてください。

創作や向学の意欲が充実した時、なすがままに。


ありがとうございました。Interviewer:yumisong