Arafudo Art Annual 2014!

Festival of Art, Tsuchiyu Onsen, FUKUSHIMA

Interview with 小西智恵+菅谷奈緒+A.Y.K.K.project

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散らかった元スナックすずらん。その奥にある和室に設置された舞台では人形劇がされた痕跡がある。人形劇に使われている人形は、藁人形。それは呪いのための人形です。小西智恵と菅谷奈緒は、作品制作のための下見旅行に気た時に、たくさんの心霊スポットが福島市にあることを知りました。理性とは違う法則で理解されているその場所をリサーチしていく中で、藁人形から見えるパラレルな世界を描き出すことに。『Under Control. or Why contemporary art should be democratic(全てはコントロール下に。もしくは、なぜ現代アートは民主的であるべきなのか) 』というタイトルの下、コントロールできない感情や感覚はどのように現れてくるのでしょうか。

人形劇団の映像はこちら。http://aykkproject.wordpress.com/episode/

小西智恵+菅谷奈緒+A.Y.K.K.project|Chie Konishi+Nao Sugaya+A.Y.K.K.project

2014年結成。身の回りのありふれた事象について、権力という観点からリサーチし悪意に基づいた嫌がらせとして展示/イヴェント/ドキュメントなどの形式にて提示する。共生のためのささやかな実践。最近の活動に「号外/ビラ配り/パフォーマンス」(新宿)など。
AYKKproject

藁人形が敵対性と協調性の両方にとらわれて生まれる間抜けさがあります

架空の藁人形劇団の経歴を教えて下さい

【上演】
2013年キエフ国際映像演劇祭(ウクライナ)、2013年サンタエレナ国際人形劇祭(エクアドル)、2012年エスビエルク トリエンナーレ(デンマーク)、カラチ演劇祭(パキスタン)、タリン インターナショナル カルチュラル フェスティバル(エストニア)、北区十条商店街演芸祭(日本)、ダブリン国際人形劇スタディーズ(アイルランド)
【ワークショップ】
2013年ヌクアロファ国立歌劇場(トンガ王国)
【レジデンス】
2013年 カッケラAIR(スーダン)

なぜ藁人形をモチーフにしようと考えたのですか?

「かつて土湯の太子堂の裏に五寸釘が突き刺さった藁人形があった」というお話を地元の方から伺いました。藁人形の主な目的は好ましくない人間の排除であり、共同体の内部における不和、敵対の象徴と言えます。私達が本プロジェクトで題材にしたいのは、人権/平等/協調性という概念が自然化された生活の中で、隠蔽されてはいるものの完全に排除しきれない敵対性です。

藁人形というモチーフから、様々な人に「呪いたい存在」についてインタビューし、そのエピソードをもとに全ての登場人物が藁人形で成り立つ藁人形劇を作ることにしました。そこには、敵対性を見据えながらも共存を考えなければならないという矛盾の中で、藁人形が敵対性と協調性の両方にとらわれて生まれる間抜けさがあります。様々なエピソードは極めてミクロな問題ではありますが、ミクロな問題が示すものを丁寧に拾い上げることで私たちの社会の構造を浮かび上がらせ、共に生きるためにできることを考えるきっかけになるのではないでしょうか。

現在、興味のあるモノや人、事象があればその理由も含め教えて下さい。

ネット上で人を中傷するようなコメントを投稿するためにつくられる匿名アカウントに関心があります。


ありがとうございました。interviewer:yumisong