Arafudo Art Annual 2014!

Festival of Art, Tsuchiyu Onsen, FUKUSHIMA

Interview with SUIKO

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大きな記号は小さくなって、町のあちこちに展開しています。廃墟となった旅館の11メートルある大きな壁面に描かれた赤い大きな絵。文字のような記号のような不思議な形。昨年同じ場所にこけしの絵を描いたスイコ。
国立公園に位置する土湯温泉町は、景観条例のために絵画を描くことは許可されていません。この壁画は芸術祭のための期間限定なもの。芸術祭が終われば消されてしまう運命です。震災で変わってしまった町の景色のために描いた絵画でさえ、景観のために消されてしまいます。「景観」という同じ問題意識を持って取り組んでいますが、ルールの設定が違うと行為が変わってきてしまします。

SUIKO

広島を拠点としながらも世界各国を巡るグラフィティ・アーティスト。 2005年に水戸芸術館で開催された国内初の大規模なグラフィティの企画展「X-COLOR」に参加後、活動規模を拡大、アメリカ、ドイツ、ブラジル、イスラエル、トルコ、中国、香港、韓国など様々な国から招待を受ける。 近年では壁を媒体とした表現にとどまらず、Walt Disney社、コカ・コーラ社、アディダス社、ECKO unltd.社などへもアートワークやデザインを提供するなど様々な方向に表現領域を広げ続ける傍ら、グラフィティショップ兼アートスタジオ「dimlight」の代表として地元のストリートシーンの活性化に心血を注ぐ。

旧岩城屋旅館壁面

旧岩城屋旅館壁面

今回の出品作の概要(作品形態や背景など)を教えて下さい

今回の作品は壁画をじっくり鑑賞してもらうものでない事をまず知っていただく必要があります。壁画はあくまで導入です。

どういった経緯でこの作品を作ろうと考えましたか?

昨年、土湯のみなさんに協力していただき、今回と同じビルの壁面に「こけし」を描きました。
東日本大震災後の土湯に暮らす人々の復興のシンボルになればと考え描き、土湯のみなさんも強く壁画の保存に尽力して下さいましたが、土湯温泉街は国立公園内にあるため、条例により塗りつぶされてしまいました。
そのことを踏まえた上で今回の作品ができました。

旧岩城屋旅館壁面

ご自身のアートの楽しみ方があれば、教えてください

大きな壁面に描かれた図柄を頭の片隅に入れたら、あとはゆっくり街の散策を楽しんでみて下さい。